美術

……たとえばドナルド・ジャッドは画家だった。だれが、どこからみても視認に誤差のないパーフェクトな視覚藝術を実現するために、二次元の絵を棄てて、三次元で、リテラルな立体を制作することを選んだ。ゆえに彼のつくっていたものは彫刻ではなく絵画だった…

昼過ぎまで仕事。職場を出ると雨。そのまま福島まで出て、ラッズギャラリーで川嶋守彦展「無記、公園」*1をみる。はじめてみる作家だが、ものすごくいい。オールドマスターへの敬意がない絵画はたいていくだらないが、オールドマスターへの挑戦がない絵画も…

新幹線なら、京都から名古屋はほとんど一瞬。地下鉄で栄まで出て、愛知県藝術劇場で《みんなが主役!SKE48 59人のソロコンサート〜未来のセンターは誰だ?》の昼の部をみる。一階十列の通路の真横で、かなりいい席。 高塚夏生にぐっときたり、酒井芽衣がめち…

本屋で立ち読みした『POPEYE』の現代美術特集で、ゲルハルト・リヒターを語っている或る小説家が、リヒターの作品は現代美術を知らないひとにみせても「かっこいい!」っていうでしょ、みたいなことを云っていて、このひとはいつもダメだが、ほんとうにダメ…

朝起きてゴミを棄てる。病院に行って薬を貰ってくる。 梅田へ出てサブウェイで昼食をとって薬を呑む。西天満の画廊を回る。Oギャラリーeyesの拭い去られた山岳風景画みたいな寺脇さやか展とギャラリー白での、大阪万博のパヴィリオンと郊外の住宅地を対比さ…

ユタカライナーのバス(2000円)で朝六時半の池袋着。寒い。ガストに入って朝飯。持ってきた宇佐美圭司の本を読んだり、途中まで(まだ序盤)の原稿のプリントアウトを読んで、裏返してもういちど論の筋を整理しながら練り直す。概ね満足。 東京メトロの24時…

昼から出かけて清荒神のベガホールで法貴彩子のピアノリサイタル。音の粒がきれいで尖っていて、それがかっちりとはまった配置で並べられてゆく、その流れのつくりかたがとても清冽で、爽快である。 一時間ほどのプログラム(しかも500円)で、セヴラックの…

山本君の個展に向けて制作した絵画を、大作やイーゼル画をふくめ、部屋の外の陽のあたる場所にどんどん出して、みせてもらう。とてもいい出来のものが多くて、満足する。 最寄の駅まで山本君に送ってもらい、川村記念美術館をめざす。きのうは逗子で、きょう…

朝、バスが東京駅に着くがやはり到着が遅れる。隣の席の青年がちょっと変で、もうたぶん十年以上高速バスを利用しているが、いちばん気持ち悪い奴だった。 そのまま逗子まで出て、海水浴客と一緒に満員のバスに乗って、神奈川県立近代美術館葉山館でブラザー…

《新・幕末純情伝》と《LOVERS》をみる。

先日柚子と演劇の話をしていてつかこうへいの話になり、柚子が、西岡徳馬が坂本龍馬をやった《幕末純情伝》が面白かった、玲奈さんならいいんじゃないかと云ったので、慌ててチケットをネットで探して譲って貰ったので、昼から出かけて梅田芸術劇場。つかこ…

ゲルハルト・リヒター《14 Panes of Glass for Toyoshima, dedicated to futility》をみる

はっと眼が醒める。まだ朝六時。慌てて風呂に入り、食堂で朝食を摂ってからチェックアウトして、八時発の船に乗って豊島。船で島に渡ることじだい初めてだったのではないか。三〇分ほどで着く。白い犬が桟橋に二頭、迎えに出ている。 花が咲いている小さな菜…

インテックス大阪で握手会。きょうは一部と二部。 西天満のギャラリーをぐるっと回って、そのまま和歌山に。県立美術館で恩地孝四郎展をみる。竹橋ではじっくりみることができたのは戦時中の作品までだったので、倉本君と一緒に戦後の作品群をじっくりとみて…

チームE《手をつなぎながら》公演をみる

バスのなかで原稿の赤をまだ入れている。名古屋駅に着いて、エスカのエスカレータをでれでれと降り、ネットカフェに飛び込んで、ひたすら原稿を訂正する。 鶴舞の古本屋を覗いてから(大学堂は休みだった)愛知県立芸大サテライトギャラリーで三上俊希「呼吸…

《ミュージカル『AKB49〜恋愛禁止条例〜』SKE48単独公演》をみる

久しぶりに鶴舞の古本屋をぶらぶら。買いまくる。 florist gallery Nで西岳拡貴、森部英司、二藤建人による「指導者の声は紙の擦れる音をかき消す程度には大きい。」展をみる。森部英司の作品は男前で、二藤建人は夫婦という不思議な生き物の関係を今回も軍…

《ミュージカル『AKB49〜恋愛禁止条例〜』SKE48単独公演》をみる

須田&江籠組の初日をみるために朝飛び起きて大阪から七時半発のバスで名古屋に。 愛知県美で常設展だけみる。蕪村と若冲の素晴らしさ。西欧の絵画は近づいたり離れたりすることで見えるものが変ってくるが、日本の絵画は遠くから見るということを要請しない…

トマス・ハリス『レッド・ドラゴン』を読む。

開巻しばらくすると、「犯人自身にも自分のしていることがわかっていない可能性もある。だから証拠をとにかく集めて、そこから推定するしかない。犯人の思考を再現するんだ。パターンを発見する」という立派な批評の心得が出てくる、トマス・ハリスの『レッ…

ジョルジョ・モランディ展などをみる

朝起きてだーすーのブログをみて、先日の梅本まどかに続いてやはり四期生の山下ゆかりも卒業することを知る。やはりきょうも残念だな、寂しくなるなと思うけれど、去年のリクアワの四期生たちの涙を思い出したりしつつ、そういう時期であり、そういう年齢な…

朝いちばんのバスで東京駅に着いて湯島の燕湯で風呂に入り竹橋で軽く食事をして藤田嗣治を山本君とみて映像表現72再演みて代官山で写真新世紀みてKJも合流して六本木のワコウでゲルハルト・リヒターみて森美で村上隆みてアラザル飲み会を経てまた東京駅から…

帰りに隣町のツタヤが百円なのでスティーヴ・マックイーンの『ハンガー』とか松井玲奈主演の『gift』とか森一生の『ある殺し屋の鍵』とかを棚からつかみ出してうろうろしていると、見知らぬ爺さんから「ニイちゃん、なかなかええの借りとるがな」と声をかけ…

朝早くから起きていたのに結局遅刻してKY君と京都駅で待ち合わせて、地下鉄で京都市美術館まで出て「PARASOPHIA:京都国際現代芸術祭2015」をみる。30分を超える映像作品が大半を占めていて、殆どのフロアをふたりで乱暴に一瞥しては通りすぎる(パンフレッ…

夕方から出かけて梅田まで。ぶらぶらと歩いて、Oギャラリーeyesで中小路萌美「夜のない絵」展をみる。丁寧で執拗な知性と手の劇としての絵画。

木村太陽「55 Bethune Street,NYC」展をみる

昼過ぎまでぐてぐてと過ごして、柚子が昨晩つくってくれたカレーを食べ、柚子の蒲団の中で眠っている「しま」を撫でて、洗濯機を廻してから出かける。 アートコートギャラリーで、木村太陽「55 Bethune Street,NYC」展をみる。窪みと窃視をめぐって、そこか…

「百度の鈍角」展をみる

洗濯物を取り込み、郵便局で振込みを済ませ、ばたばたと出かけて、烏丸まで出る。「kara-S」で、迫鉄平と正木晶の二人展「百度の鈍角」展*1をみる。ぐっとくる展覧会だった。 展示をみていると、そこへ入ってきた櫻井君とばったり出会う。 そのあとでドトー…

朝六時に起きて風呂に入り、柚子が昨晩つくってくれたサンドウィッチのお弁当を鞄につめて、梅田まで出てバスで名古屋まで。 名古屋からすぐ、二両編成のディーゼル「みえ」で津まで出て、三重県立美術館で「浅野弥衛 描線の詩学」展をみる。とても感銘を受…

フォートリエ展をみる

朝から出かけて映画もみるつもりだったが、そんなふうにうまく動けるはずもなく、昼過ぎまでぐたぐたと風呂に入って本を読んだり洗濯物を干したりSKEのDVDを眺めたりしたあとで、ようやく出かける。電車の中で老人から、「寒くなりましたね」と声をかけられ…

仕事を終えてから元町までぶらぶらと出てるが病院は午後から休診で、ギャラリーヤマキファインアートまで出て、河口龍夫と狗巻賢二の展覧会をみる。どちらも始めてみる。まずは河口の、一見すると小さな棺桶の如き無骨な成りをしている「DARK BOX」の、鉄を…

効率的に朝からぱぱっと出かけるつもりが案の定、昼過ぎまでだらだらとしてしまい、洗濯物を取り込んで、夕方から梅田まで出てギャラリーをぶらぶらする。 天野画廊で小泉光子「物語はつづく」展(発想はミニマリスティックで、手法は「手芸」)。ギャラリー…

昼前に起きて、だらだらと家の裡で過ごしている。洗濯物を干して、本を読んだりしながら。 夕方から出かけて、西天満のギャラリー白で「ペインタリネス2014」展をみる。 これはまったく私の不勉強のせいであるのだが、私は、現代の日本の美術作家の名前を、…

フィオナ・タン、松江泰治、シュトックハウゼンそして一柳慧。

朝、東京駅に着く。雨が少し降っている(その後も傘は買わずに何とか一日やり過ごす)。スターバックスでココアを呑みながらヴェントゥーリの『絵画鑑賞入門』を読みつつiPhoneの電池を溜める。 御徒町まで出て、「燕湯」という銭湯で汗を流す(風呂のなかに…

「今井祝雄―Retrospective―影像と映像」展をみる

大脇有紗さんの最終劇場公演の抽選に三度外れ(卒業おめでとうございます。SKE48での日々が、これからのほうがずっとながい彼女(まだ15歳だものなあ!)の人生にとって、枷ではなく、豊かで最良の糧になることをひたすら祈るばかり)、毎日ポストを覗いてい…