2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

夏休みの日本映画をつまみ食う

午後から試写で実相寺昭雄の『姑獲鳥の夏』*1を観る。まず、私は実相寺昭雄の仕事は大好きだが、ファナティックな京極堂シリーズのファンではない。 俳優が払底している現在の日本映画界の現状を考慮に入れるならば、キャスティングはそれほど悪くないと云え…

法然院の教授たち

朝、会社の近所の形成外科へ。診察を待つ間に、京極夏彦の『姑獲鳥の夏』を読み終わる。十代の前半に読んでいたら、きっと大好きだっただろうなと思う本の一冊。ひとはいつも、それを読むべき最適の時期を逸して、『ライ麦畑』を読むのである。 てきぱきと気…

若いヤマビコの時間

今日も午後から若さまを連れて営業に。昼休みにはiPod*1で音楽を嗜まれる若さまは、『げんしけん』を如何なる諧謔もアイロニーも媒介させずに、すんなり享受することができる、大変お若い世代のヲタクであることが判明。そんな若さまは「庵野秀明が大好きな…

きょう買った書籍

新城カズマ『サマー/タイム/トラベラー』(第一巻。ハヤカワ文庫)

若さま侍がやってきた

社会人経験ゼロの、社長の息子が本日から入社する。社長から、世話係頭を命ぜられてしまう。が、午前中は何とかその役目から逃れて実家に。弟の漫画をごっそり借りてくる。祖母とちょっと話をする。避妊手術のあと、ウチの黒猫はずいぶん太って、顔が丸くな…

へばる

とても暑い。ちょっと近くのコンビニに出たほかは、終日、家の中でへばっていた。実家に出掛けて弟から漫画本を借りてくる予定だったが、電話を入れてキャンセル。 三島の『豊饒の海』も斯くやと思わせる川村二郎の美文な訳文がスゴイ、ブロッホの『ヴェルギ…

38度線とターメリック

少しだけ片づいた私の部屋で、今日中に返却せねばならない『JSA』を柚子と観る。構成は大変緻密で、思わずラストで男泣き。中高一貫男子校出身者特有のメンタリティなのか、どうも私の涙腺のネジは、こういう映画に甘い。ちなみに、イ・ビョンホン大好きの姑…

試写と自腹と

試写で『皇帝ペンギン』*1を観る。『WATARIDORI』のときもそうだったが、映像はスゴイ(何しろ延々とエンペラーペンギンばかりが映るのだ。それだけで大変気持ち良い)のだが、音楽のセンスが最低。ナレーションが過剰。素材の良さが台なし。こんなに良い絵…

充電中

仕事を終え、久しぶりに三宮のジュンク堂に寄る。収穫はないが、みっちりと本の詰まった書架の間を彷徨くのが心地良いのだ。

きょう買った古書

LINDA『黒い部屋と白い空』(松文館) いわゆるひとつのエロ漫画。

あと一冊あれば終わりだろうに……

佐藤大輔『遥かなる星』を読み終わる。第3巻に於ける私の脳内映像変換の基準を正確に書くならば、押井守の『劇場版パトレイバー』第1作をゆうきまさみが漫画化したもの、だった。屋代氏だけはやっぱり船越英二だが。この役には、彼しか考えられないですよ…

昨夜の雨が止んで……

昨日は一緒に家を出たが、基本的に柚子は朝、私より少し早く家を出る。自転車をひっぱりだして出かける彼女が、家から出てきたばかりの私に振り返って云った。 「てがみ〜」と。 そして、ペダルを踏んで先に行ってしまった。 自転車のハンドルの処に結んであ…

第三帝国老衰史

試写で『ヒトラー最期の12日間』*1を観る。いやはや、大変に骨太の反戦映画。作り手が、ちゃんとしたものを撮ろうとしている意識が、すみずみから伝わってくる。何しろ、ナチズムがドイツ・ロマン主義とレーニン主義の混血児だと云うのが、ちゃんと判るよう…

きょう買った古書

『中島敦全集1』(ちくま文庫) 『中島敦全集2』(ちくま文庫) 『中島敦全集3』(完結。ちくま文庫) 大井篤『海上護衛戦』(学研M文庫) 後藤繁雄『僕たちは編集しながら生きている』(マーブルトロン) 佐藤大輔の『遥かなる星』の第2巻を読み終わる…

彷徨う一日

実は私は、神の存在は信じている。と云うと抹香くさくなるが、私たちの理(ことわり)を超越している何物かは在る*1と信じている。キューブリックの『アイズ・ワイド・シャット』は、そういうような「神」を描いた映画なのではないかと思った*2。 *1:その「…

突貫!

昼前に起床する。今日は柚子と映画を観に行く予定だったのだが、お互い、部屋の片づけを始めてしまい、妙に昂揚。映画を金曜の夜に振り替えて出掛けるのを止めて、ひたすら片づける。柚子にも手伝ってもらいながら、やっと机まわりの空間を切り開き、寝室に…

きょう買った古書

武田龍夫『嵐の中の北欧』(中公文庫) 保坂和志『アウトブリード』(河出文庫) 伊藤整『氾濫』(新潮文庫)

古書肆と通天閣とみそラーメン

昼過ぎから大阪に出る。近所の駅まで柚子と一緒に出掛ける。 堂山町のツタヤでカードの更新。無料で一本貸すと云うので柚子にメールをして希望を訊き、姑の観たがっていた『JSA』を選ぶ。 ウロウロと古書肆を巡る。天神橋筋を抜けて、南森町から地下鉄に乗り…

きょう買った古書

ヒサクニヒコ『マンガ版 太平洋戦史』(サンケイ新聞出版局) イアン・V・フォッグ『大砲撃戦』(訳・小野佐吉郎。サンケイ新聞出版局) 赤背表紙の「第二次世界大戦ブックス」シリーズは、古書肆によって、ものすごく高い店と、ものすごく安い店がある。も…

クストリッツァの新作は最高!

エミール・クストリッツァの『ライフ・イズ・ミラクル』*1を試写で観る。素晴らしい出来。ラストで思わず涙。人間の業を全肯定することが落語の真髄だと立川談志がいつか云っていたが、クストリッツァの映画はまさにそれ。『アンダーグラウンド』からずっと…

きょう買った古書

ブリジット・ブローフィ『雪の舞踏会』(訳・丸谷才一。河出書房「人間の文学」第22巻) そう云えば、倉橋由美子も死んだ。カルロ・マリア・ジュリーニも死んだ。

日本人の目玉(私は随分な近眼である)

夜、自転車で近所の公園の前に差し掛かると、道路の真んなかにサッカーボールが転がっている。公園の忘れ物が転がってきたのだろうかと思いながら、ペダルを漕ぎつづけた。ボールの横まできたとき、それはボールではなく、後背位で愛を交わしている二匹のま…

バランス・オブ・パワー

営業先でオーラソーマなるものを体験。ずいぶん面白かった。アニマとアニムス(畜生、これってユングの用語ぢゃねえか!)のバランスが、随分とアニマに偏っているとか。ふふふ。 真夜中に雨が降ったようだ。しとしとしととざあざあざあ。

きょう買ったDVD

『さまよえるオランダ人』(演出:ハリー・クプファー。指揮:ウォルデマール・ネルソン。1985年バイロイト)

透明で快活な厳粛さ

朝の電車の中で『ブーレーズは語る』を読み終わる。ブーレーズがみずからを、ワーグナーやマーラー、シェーンベルク等に繋がる、西欧音楽の正統な皇位後継者と自負している強烈な意識がよく判る。対話集だからだろうか、彼のワーグナー解釈が率直に吐露され…

きょう買った古書

島尾敏雄+吉田満『特攻体験と戦後』(中公文庫) エルンスト・H・ゴンブリッチ『若い読者のための世界史』(訳・中山典夫。中央公論美術出版)

ぶちまけて云いますが、私の稼ぎはスゴイ薄給です。

昔、或る歌人が、どんな短歌の下の句に付けても完璧なのは「それにつけても金の欲しさよ」だと云ったのだと、薄田泣菫が書いていた。確かにネ。

自転車を買いに

柚子が出掛ける。私も出掛けようかと逡巡するが、やっぱり昼寝。夕方から奮然と起き上がり、部屋を片づける。やっとTVとAV機器を繋ぐ。だが、それを寛いで享受するスペースは、まだ作れない……。 柚子が帰宅後、最寄りのホームセンターに。通勤用の自転車を買…

丹下健三の「東京計画1960」のポスター、誰か作って!

昼、雨が止んでから、ひどく蒸す。出掛けるつもりだったが、あまりに暑くて昼寝で逃避。 夕方から梅田へ。注文しておいたミース・ファン・デル・ローエの1921年のアンビルト、フリードリヒ・シュトラーセの高層ガラス建築のポスターを買う。デカい。 帰宅後…

きょう買った古書

スプートニク協会+ジョアン・フォンクベルタ『スプートニク』 「素晴らしい!」(声:寺田農)