日録

ちんたら読んでいた『美しい星』を読み終える。三島由紀夫はちまちまと物を描写しているときが、最もすばらしい。

IVEの《Either Way》が、曲もMVもとてもいい。

今日祝日なのを知らず、病院の午前診に。ビル自体が閉まっていて驚く。建物の周りをぐるっと回って、ようやく事態を理解する。しかたがないのでぶらぶら写真を撮って帰宅する。 「しま」がもう十年以上しなかったのに、また玄関脇の本棚に並べた本の背で、爪…

田村孟の全小説集や江藤淳の『日附のある文章』などが届く。このままだと埴谷雄高まで買ってしまうのではないかと思うぐらい最近またあの時代に取り憑かれているのは言うまでもなくずっと大島渚を見ているからである。YouTubeはしきりに松尾貴史の大島渚の物…

神戸国際のMETライブビューイングでイヴォ・ヴァン・ホーヴェの演出の《ドン・ジョヴァンニ》を見る。 そのまま梅田に出てOギャラリーeyesとギャラリー白の大城国夫展を見る。

最近、写真を選んでいるときにポインタが過剰に反応して、とても作業が煩瑣でストレスが溜まる。設定をあれこれいじったが変わらず。いらいらしたので検索してみると、どうやらマウスそのものがダメになっているようで、新しいのを頼んだのが、数日前。今日…

昼前から慌てて出かけて京都コンサートホールで楽しみにしていたクァルテット・インテグラを初めて聴く。モーツァルトの《第17番》のあとにフランコ・ドナトーニの《そのハツカネズミは笑わない》。休憩を挟んでブラームスの《第1番》。アンコールはベートー…

風邪を引くと映画を見る気力も体力も削がれる。ユスターシュを見に行こうかとも思うが、やはりこっちだろうと、ようやく朝から夜中までだらだらと、積み上げたDVDの上から『太陽の墓場』と『日本の夜と霧』と『飼育』を途中まで。しかし『青春残酷物語』(19…

ほとんど寝て過ごす。喉が痛い。大島渚の『戦後映画』を読み終えて『青春』を読み始める。「闇を犯しつづける葬儀人に一切の権力を!」ってよく意味の判らないすごい副題がついているけど、38歳のときの大島が自分の青春時代を振り返るインタビュ本で、『大…

仕事終わりにシネ・リーブル神戸でデイヴィッド・クローネンバーグの『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』を見る。冒頭のクルーズ船が浜辺で横倒しになって錆びているショットから不穏で、澱んでおり、いい。香水の匂いが変わるような不可視の発情の瞬間…

帰宅して夕食を食べてから、ようやく発表順に積み上げた大島渚のDVDのいちばん上から手を付けて、『愛と希望の街』を見る。久しぶりに見るがますます凄烈。風景と鳥籠(ガスタンク)と犯罪(に差し向ける母)と空虚な銅像とそのまわりで遊ぶ兄妹など、大島渚…

仕事帰りにミント神戸でグレタ・ガーウィグの『バービー』を見る。現代のYA世代のためのよくできたデート・ムーヴィ。この程度の微温的な主張に「フェミニズム」と難癖をつけるのは、さすがにミソジニーが過ぎる。裂け目を綴じるために現実の世界に行って、…

仕事の帰りにシネ・リーブル神戸で『エドワード・ヤンの恋愛時代』を見る。本当にしみじみと、いい映画を見たと思いながら席を立つ。またすぐもう一度見たくなる。パンフレットも買って帰る。

某所の視聴覚室で三隅研次の『とむらい師たち』を見る。《太陽の塔》に対して、空気で膨らむ水子地蔵の塔が中之島の畔に立つ。勝新太郎のつぶらな瞳はやがて総てを呑み込む大きな穴ぼこになる(女の不在を考えてもいいだろう)。死者の顔の上に石膏を叩き付…

夕方から出かけてシネマ神戸でダニエル・シュミットの『天使の影』を見る。ファスビンダーの戯曲《ゴミ、都市そして死》を映画化したもの。親子や恋人たちの情愛もシスターフッドの紐帯も何もかも、貧困と格差と暴力によってずたずたに分断される。その渦に…

朝梅田に着く。駅の近くで少しだけ写真を撮ってから帰る。電車の中で誰かのiPhoneの呼出音が鳴って《ETA》が始まったかと思う。少し休んでからまた出かけて映画に行くつもりだったが、やはりやめて、溜まった洗濯物を洗って干して、あとはだらだらしている。

佐藤哲也さんが亡くなられたことをけさ知る。とてもつらい。ご冥福を。 東京都写真美術館で「風景論以後」展を見る。瞠目の展示というほどではなかったが、並んでいるものがもともと大好きな清野賀子や中平卓馬や大島渚なのだから、それだけで楽しい。崟利子…

そろそろ退勤という頃に空が黒く翳ってきて、夕立というよりはゲリラ豪雨のような大雨。革底の靴が濡れるのも困るのでバスで阪神三宮駅まで出て、九条のシネ・ヌーヴォまで出る。阪神で行くと一本なので、ずいぶん便利だというのに最近気づいた。ジョン・カ…

仕事が終わるとさっさと神戸駅まで出て、地下のうどん屋でカツカレーうどんを食べるから新開地まで出て、商店街をぶらぶら。それからシネマ神戸でライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの『マリア・ブラウンの結婚』を見る。ファスビンダーは、フレームをと…

仕事が終わると、ちょうど外で激しい雷鳴が轟く。傘を掴んで、シネマ神戸まで出て、フランソワ・オゾンの『苦い涙』を見る。ペトラをペーターにして組み立てた映画だが、涙の苦さはずいぶんマイルドになってしまっていて、ハメ撮った映像と戯れるラストなど…

仕事の帰りにシネマ神戸でライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』を見る。途中までどうやって見ればいいのかなかなか掴めなかったのだが、ようやく「ああこれは《椿姫》だ」と思い到ると、一気に映画に鷲掴みにされた。…

仕事の帰りにシネマ神戸でライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの『不安は魂を食いつくす』を見る。ほとんど露悪的なまでに悪意や差別や裏切りや傲慢が描かれ、どんなに虐げられている人たちもそれらから自由であることはできない。しかし、それでも、指先…

台風が来ているのでさすがに家から一歩も出ないで、長電話をしたり、借りている漫画(オカヤイヅミの『ものするひと』全3巻と池辺葵の『ブランチライン』の第5巻)を読んだり、みたび長電話をしたりして過ごす。

盆なので坊さんに来てもらってお経をあげてもらう。これまでに何度も来てくれている坊さんなので、久しぶりに顔を見て、老けたなあと思う。台風が来るので昼から少し職場に行く。夕方は映画に行くつもりだったがそのまま帰ってくる。ざる蕎麦と天婦羅を柚子…

柚子と元町で待ち合せてモスバーガーで夕食のあとミント神戸で行定勲の『リボルバー・リリー』を見る。綾瀬はるかを主演に迎えて、こんなに勘が鈍く、間の悪い映画になってしまっているのは、監督が悪いのか脚本が悪いのか。最近また映画を見るようになった…

仕事のあとシネマ神戸でロバート・アルトマンの『ロング・グッドバイ』を久しぶりに見る。LAでは出て行った猫は見つからず、野良犬が路傍にごろごろしているメキシコで終わる。昔見たときは最後の一本道のショットは彼岸の風景だと思ったが、何が彼岸だ、そ…

朝起きて、洗濯物を干して、『GLOW』の続きを久しぶりに見て、近藤譲の『線の音楽』を聴いている。せかせか焦るのがよくない。まだまだ続くと思っているくせに、とてもせこく、あとがないと思っているのがよくない。

職場の帰りにもう一度さんちかの古本市に立ち寄る。スティグレールの『象徴の貧困』を読んでいる。スティグレールの肝は過去把持にありそうだ。ようやく判ってきた気がする。 洗濯機を回す。柚子がミートソースを作ってくれたのでパスタを茹でて食べる。とて…

朝から梅田まで行って携帯屋の店員の女の子に「SIMの調子が悪くって」と言いながらiPhoneを出した途端に、「あ、このボタン押したら治りますね」と言われる。 いきなり予定が何もなくなったがとても暑いので新今宮まで出て写真を撮る。森之宮で昼飯を食って…

朝から職人が来て檜葉の木を伐る。あとで柚子から連絡を貰ったら25000円(税別)払ったという。話が違うと思ったが払ってしまったのなら仕方がない。仕事のあとにシネ・ヌーヴォでソクーロフの『牡牛座』を見る。ころんと突き転ばされるクルプスカヤや車椅子…